今回はフランス発のRPG『Clair Obscur: Expedition 33』のゲームレビューになります。
読み方はクレール・オブスキュール:エクスペディション サーティースリー
- 概要
年に1度得体のしれない怪物ペイントレスが目覚めモノリスに数字を描きます。
その数字と同じ年齢の人はこの世から消滅させられてしまいます。
(人々は抹消と呼んでいる)
年々その数字は小さくなっていて、人類は67年間その数を減らされ続けています。
人類は抹消を防ぐためにペイントレスの討伐を目的に「遠征隊」を組み、
海を渡りペイントレスに挑んでは敗れているという状況。
明日はその数字が更新される日であり、新たな遠征隊「第33遠征隊」の出発の日です。
主人公はその第33遠征隊の一員となり戦いに挑みます。
開発がかなりJRPGをリスペクトしているようで、FF8やSEKIROがこのゲームを作る
きっかけにもなっているそうです。その言葉通り、ターン制のコマンド式RPGが
ベースにあるので日本人にはかなり遊びやすいです。
またコマンド式のオーソドックスな部分に、FPSのような射撃要素、
アクションゲームのパリィや回避をボタンアクションとして取り入れているのですが、それにより新たな戦略が生まれていてかなり面白かったです。
そういう戦闘方式だと初めて知った時は奇抜なイメージを持ったりもしたのですが、
実際やってみるとこれは面白い!となるレベルのものでしたね。
もう少しシステム等について細かく説明をした記事を以前出しているので、
こちらも読んでもらえたらと思います。(Act1の時点での感想みたいな記事)
あまりの面白さに発売してから10日間長時間やり込んでトロコンしてしまいました。
プレイ時間は80時間ですがこれはやり過ぎで、ただクリアするだけなら25時間も
あれば余裕だと思います。
前置きはこのくらいにし、まずは点数から
88点 ⇨ 85点 に下げます!(理由は後述)
かなり面白かったです。やってよかったと思える作品でした。
こうだったらもっと良かったと思える要素はありますけど些細なことですね。
救いのない世界観に重厚なストーリー。映像美、音楽の秀逸さ、素晴らしい演出、
既存の要素を上手く取り入れ新しいものに作り変えたこと、戦略面の自由さ、
1本道ながら半オープンワールドのような自由な部分もあるのでそれも良かったです。
Act1を遊んでる最中に85点としましたが、面白さが最後まで変わらなかったので
+3点しました。
ゲームへの理解も深まってこんな戦い方も出来るのかというのを
見つけたのも大きかったです。
【良かった点】
・ストーリーの面白さ
Expedition33の世界は本当に絶望的なのですが、その中にあって希望を失わずに
強い心で挑む遠征隊の面々がとても魅力的に描かれています。
絶望の中に見えた小さな光が強くなったと思ったら…みたいなのもあり、
二転三転する話の構成がとても楽しかったです。
・演出が秀逸
最初人物の顔がゲームっぽい感じがあって大丈夫かなと思ったりもしたのですが、
物語の見せ方が本当に上手でそんな懸念はいつしか吹き飛んでいました。
音楽もかなり良くて演出の良さを引き出していました。
サクソンというバケモノ中でも特に強い力を持ったものとの戦いは、
その存在に尊さすら感じるような演出が見られました。
・美しいグラフィック
風景はとても幻想的で美しく芸術品のようです。
フィールド探索している時は美術館に飾られている絵画や彫刻の世界にも思え、
よくこんな描き方が出来るなと関心しました。ダンジョンも個性的で良く作られて
ましたね。戦闘シーンのエフェクトなども派手ですがケバくない感じで良かったです。
ターン制のコマンド式バトルにFPSの要素であるフリーエイム、
アクションゲームの要素であるパリィと回避を取り入れながらも、
難解すぎず大味にもならない戦闘システムを作り上げたのは
お見事と言う以外ないです。
また最初はフリーエイムを使うのが難しかったりするんですが
(通常攻撃より威力が低いので)、
フリーエイムじゃないとほぼ攻撃が当てられない敵や、
フリーエイムで狙い撃ちして弱点を破壊しないと駄目な敵が出てくるので、
自然と使えるようにあります。
チュートリアルもありますがチュートリアル以外でも新しい要素をプレイヤーが
自然と受け入れられるような工夫があります。
後述するルミナシステムを上手く使うと戦略的要素もかなりあって、
やればやるほど面白さに気づけると思いました。
パリィはタイミングがそれなりにシビアなのと、敵の攻撃が単調でもないのですが、
ググっと力を込めたようなモーションを見せてから攻撃してきますし、
攻撃する際には大体何かしらの「音」が鳴りますし独特なエフェクトが
出たりするなど、かなりタイミングが掴めるような作りにはなっています。
出来るようになってくると結構楽しめますね。
パリィより猶予が長い回避でまずは様子を見るという使い分けも可能で、
死にゲーぽさを感じましたね。
パリィさえできればかすり傷だけで倒されるような強敵も理論上倒せるのも、
古き良きRPGを感じられて良かったです。
・ビルド構築の楽しさ
このゲームには「ピクトス」というほかのゲームで言うところのアクセサリーがあり、
ピクトスにはほかのゲームで言うところのアビリティ「ルミナ」が付与されています。
(FF7をイメージするとわかりやすい)
ピクトスを装備した状態で4回戦うとルミナを習得することができ、
習得したルミナは「ルミナポイント」の分だけ身につけることが可能です。
要するにコスト制ですね。
100ルミナポイントがあったとしたら、コスト20のルミナなら5個つけられます。
こういうコンセプトのキャラにしたいというのがあれば、それに向いたルミナを
沢山装備することでビルドを構築出来るということになります。
攻撃役に向いているキャラ、支援に向いてるキャラみたいな方向性はありますが、
全部無視して独自のビルドを築くことが可能です。
また武器にも効果がついているのとステータス補正もあるので
武器に応じたステータスの振り方や戦い方をするのもビルド構築の1つの要素で、
どの武器を選ぶかという楽しみもありました。
ステータス、スキルどちらも消費アイテムを使えばリセット出来るのですが、
中盤すぎるまでは高額アイテムではありますが店で買うこともできます。
また敵も結構落とすので気軽にリセットすることが出来るのも良かったです。
最終的に自分はパリィしないビルドに辿り着いちゃいました
(最高難易度でもボスを1ターンでキルしてたので)が、
それも自由さを表していると思います。
・乗り物が非常に快適
このゲームの乗りものの快適さは全てのゲームが見習うべきレベルです。
乗り物は沢山乗るものですので自分は結構重視しています。
このゲームの乗り物は、乗り降りがワンボタンで出来て、乗ったままフィールドに
落ちてるアイテムやフィールドに立っている人物に話しかけることが可能です。
オートランがあったら120点でした。
・ダンジョン内ファストトラベルと脱出
ダンジョン内のセーブポイント間をファストトラベルで移動出来るのが良かったです。
あとであのダンジョンのあの場所に行かなきゃいけないってときでも
簡単に戻れました。またセーブポイントで大陸に戻るを選ぶと
一瞬でダンジョンの外に出られるのも良かったですね。
・やりこみ要素
ストーリーとは関係のないダンジョンが点在していて、
それらを巡る楽しさがありました。
物語をより理解するための会話があったりもするので、
全てが無関係ではないのですが。
【悪かった点】
・セーブが手動で出来ない、セーブデータが分かりづらい
セーブは全てオートで行われておりプレイヤーがセーブすることはできません。
個人的にはこの形式が嫌いで手動セーブが出来ないゲームは全て減点しています。
セーブデータ自体は細かく取られているのでロードすれば
やり直し可能ではありますが、セーブデータには日付と時間が書いてあるだけなので、
ロードした際にどこから始まるのかが分からないです。
まあ片っ端からロードすればいいんですけど。
・パリィの難易度が高い
戦闘の肝であるパリィが結構タイミングがシビアで(LiesofPよりは簡単)、
全然出来ない人もいると思います。
慣れたらこんなにタイミングずらしてくるのかみたいな
駆け引きも楽しめるようになりますが、そもそもの敷居がちょっと高いかなと。
難易度を下げることで受付猶予時間を長くするとか、
カウンターダメージに補正が入るがオートでやってくれるようなモードも
あったら良かったと思います。
・街やダンジョンにマップがない
街やダンジョンが入り組んでたり広かったりするので、
マップがあったら良かったです。
それこそ過去の遠征隊がマップを残していてそれを拾ったら
見られるようになるみたいな作りでもよかったかなと。
・ワールドマップでファストトラベルが出来ない、ピン機能がない
ワールドマップはかなり広大なので最終盤くらいは
ファストトラベルできて欲しかったですね。
移動時間だけでもそれなりに長いので。
乗り物にオートランが欲しかった理由もこれです。
ファストトラベル出来ないならオートランが欲しかった。
あとピン機能がないのでどこに何があるか逐一マップを開いて
チェックするのが面倒でした。これも個人的には勿体ないと感じる要素でした。
・ミニゲームの操作性が良くなく難易度も無駄に高い
どこかで見たことがあるようなミニゲームを何個かあるのですが、
それの操作性がどれも良くないです。
ミニゲームそれぞれに苛つくポイントがありますね。
キャラコンがそこまで出来ないゲームなのにキャラコンが求められるものも
3つくらいあります。
特に相手が撃ってきたジェストラルを跳ね返すミニゲームは、
操作性も悪いですし運要素が強すぎて本当にイラッとしてしまいました。
ストーリーには関係がなくただ水着スキンがもらえるだけなので
やらなくても良いものではあります。
(水着はかなりダサいのでステラーブレイドみたいなのを期待してはいけないです)
ただ目の前にミニゲームがあったらクリアしたくなるのが人の性なので、
もう少しゲームにあったミニゲームにするべきだったのではないかなと。。
・収集物系があまり親切な作りではない
収集物として「レコード」「ジャーナル」があるのですが、
どこに何があるかが全くわからないようになってるのはBADです。
集めるためのヒントは欲しかったですね。
ダンジョンや街をくまなく調べる必要があります。
・モノコのスキル集めがわかりづらい
モノコのスキルはいわゆる青魔法で、モノコを戦闘メンバーに編成した状態で
スキルを得られるモンスターを倒す必要があります。
一応スキルを覚えられるモンスターは、戦闘時に名前の横に印が表示される仕様
ですけど、結局戦闘になるまでは誰がスキル覚えられるモンスターか
わからないんですよね。
モンスターのオブジェクトに接触することで戦いが始まるゲームなので、
戦闘しなくてもわかるようにして欲しかったですし、
贅沢を言えば取得済みの場合は取得済みだとわかるようにして欲しかったです。
終盤とある場所で過去の敵とも戦えるので救済措置自体はあるんですけど、
結局どのスキルがどのモンスターかがわからず、
総当たりで戦う羽目になったのは残念ポイントでした。
(モンスターの名前しっかり覚えるプレイヤーはそういないでしょう)
こんなところでしょうか。
悪かった点も挙げましたがそこまで重大な不満点ではなかったと
まとめると思えました。
GOTYに選ばれるかはわからないですが本当に心から楽しめた80時間でしたね。
---------点数を下げた理由---------
クリアしてから書いたレビューでは点数を88点としていましたが、
スタンダール弱体化を受け評価を3点下げて85点としました。
かなり丁寧に作られているゲームでそこを高く評価していたのですが、
発売してこの短い期間で弱体化させたことでで「完成度の高さ」が
揺らいでしまいました。
人にすすめる際に
「凄く丁寧に作られたゲームだけど、発売から2週間くらいで調整入ったよ」
と伝えたら、言われた人は丁寧に作ったのに調整そんなすぐに入ったんだと
驚くでしょう。となるとやはり評価を下げざるを得ない。
そもそもオフゲーで強すぎるからと弱体化させるにしても
この短期間でそうする意味はあるのだろうか?
スタンダールはダメージに関して「最高」であると記されてるわけで、
最初から凄いダメージが出るよう調整して作ったはずだと思います。
それなのにこの対応をしたのはどうなのだろうかと。
まあそれでも全然強いみたいですし、スタンダールだけが弱体化食らったので
あれば全然ワンパン構成は作れるでしょうけど。