2023年のGame of the Yearを獲得したバルダーズ・ゲート3のCS版がリリースされて2週間ほど経った。クリアしてからレビューを書こうと思ったが、かなりボリュームがあるゲームなので、クリアするまでだいぶ時間がかかりそう、ということで早出し版としてレビュー第1弾を書いてみることにした。
今のところの評価を点数にすると「80点」
とにかく自由度の高さが個人的には嬉しい。
「自由度の高さ」について簡単に触れると、
クエストの進め方、ビルド構築が自由なゲームは他にもあったが、
このゲームは味方になるキャラクターのビルド構築も自由。
また本来味方になるキャラを倒してしまうなんて展開にも持ち込める。
戦闘もかなり自由で、パーティーを1人と3人に分け、1人を屋根の上に配置して奇襲をかけ、敵が屋根の上をめがけて移動してるところに3人を合流させ、範囲魔法で一気に片付けるなんてことも出来てしまう。
ビルド構築に関しては種族だけは変更できないので熟慮する必要はあるが、
それ以外は何度でも振り直せるため、キャラのLVや拾った装備に
合わせて細かくビルドを構築することが可能。
例えば装備すると強制的にSTRが23になる篭手もあるので、
ゲーム序盤中盤あたりまではSTRにしっかりポイントを振って進めて、
ゲーム終盤でその篭手を手に入れたらリビルドしてSTRを最低値の8にして、
他のステータスにポイントを割くこともできる。
ちなみにバルダーズ・ゲート3ではSTRは物理ダメージ以外にも物理攻撃の
命中率や持ち運べる荷物の重量にも関わるため、近接職においてはかなり大事。
クラスに関してもメインとなるクラス1つだけにしてもいいし、
サブクラスとして幾つかクラスを追加してもいい。
キャラのLvは12が上限なのでそれまでなら自由にLvを上げることができる。
Lv12のパラディンにしてもいいし、パラディンLv8、ローグLv2、バーバリアンLv2みたいな複合クラスを採用したキャラを作ることもできる。
(クラスは2つまでが理想とはされているが)
更に言うと装備も自由なので魔法使いでも剣盾を装備させることが可能だし、
スキルと装備品を調整すれば適正に使えたりする。
ただし武器や防具には習熟というものがあり、それがないものを装備させても
簡単に言うと強さを最大限に出せなかったりするので注意が必要。
ちなみに主人公をカスタムキャラで作るのではなく、用意されているキャラ
(味方になるキャラ)をそのまま主人公にすることもできる。
味方キャラは誰を仲間にするかを選べるし、そのキャラを倒したり出会った際に
装備品だけ盗んでしまうなんてこともできる。
またプレイヤーの選択がそのキャラの信念とかけ離れすぎているものだった場合に
パーティーから離脱してしまうこともある。キャラによって善か悪かみたいなのがある程度見えるので、自分のやりたいプレイスタイルに沿ったキャラで固めればほぼ気にしなくて良い。
ただ、特定のイベントにおいてはそのキャラなしで進めると永久離脱するパターンも
あるので、関連クエストかどうかは考慮が必要。
クエストの進め方について例を挙げると、クエストボスと会話をすることで
戦わずにクリアすることもできるし、いきなり襲って倒すこともできる。
善人である街人を全滅させても良い。協力してクエストが終わってから
倒して装備を剥ぎ取るなんて悪魔のようなプレイも可能。
上記はバルダーズ・ゲート3の面白さの一端でしかない。
とにかく
バルダーズ・ゲート3は「人を選ぶが楽しめる人にとっては最高峰のゲーム」
と言って差し支えがないと思う。
一方でシステムには慣れが必要でそこがネックとなり面白く感じられない人もいるだろう。「テーブルトークRPGの祖先D&Dの世界で冒険をするゲーム」
これが理解出来ないと中々しんどいかもしれない。
戦闘はターン制のバトルシステムでそれ自体はありふれてるが、行動する際にはアクションポイントというリソースを消費する必要があったり、何をするにもダイスを転がして出目が結果となって現れるといった要素は癖が強いと感じる。
日本語版なので当然翻訳されているが、”日本語的”ではない表現がやや多く、分かりづらいと感じることもあり、人によっては物語にいまひとつ入り込めないかもしれない。特に選択肢における表現が分かりづらいことが多く、こういう意味かなと思って選んだものが実は違っていて、意図せず戦闘になったりすると冷めてしまう。
ダイスを転がすことに関しては、会話シーンや宝箱の解錠を行うタイミグでクイックセーブできるので、出目の結果が気に入らなかった場合はすぐやり直しができるようにはなっているが、気に入った結果になるまでダイスを振り直す事を良しとするかどうかでも評価は変わるかもしれない。
(絶対振り直しはしないというプレイも楽しいとは思う)
80点にしたのは面白いと感じる一方で、翻訳とダイスシステムがちょっと微妙だと個人的に感じるのと、不親切な部分やCS版ではUIが最適化されてないところがあるので、
そこで若干評価をマイナスにしたから。翻訳については前述したのでここでは省く。
ダイスはこのゲームの根幹に関わるので、慣れれば楽しく感じられるようになりそうだが、戦闘時の攻撃のダメージを決めるのもダイスを転がすので、出目によって攻防共にかなりダメージにブレが生じる。あまりにもランダム性が高すぎるのは微妙かなと。
ダメージ3~35とか表示されると先が読めなさすぎて。
会話も思った結末になるまでロードする場合には、ダイスにそもそも意味が
なくなってしまう。(これに関してはプレイヤー次第だが)
CS版だとロード時間が結構長いのでややストレス。
などから80点とした。
最初のほうでも書いたが人を選ぶゲームではあるが、ハマる人にとっては神ゲー。
一方でハマれないとクソゲーに近いところまで落ちる可能性があるので、
買う前に自分に合うのかどうかはよく考えたほうが良いだろう。